古里裕美 『TIDE』
¥6,000
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関係の写詩──
不確かさの受容から意味を超えて、交差する私たちの存在
「TIDE」 は、古里裕美が2015年から現在に至るまでの約10年間、宮城県石巻市に住むひとりの女性を中心に、共に同時代を生きる人々と、広がる光景、風景へとカメラを向けつづけてきた作品群である。
つかみようのない「現在」に揺らぎながらも、自分たちは生きて存在しているという実感が、写真の中で衝突し、溶けていく。
不確かさの受容から意味を超えて「在る」ことと「現在」の探求を試みる。
本作において印象的なことのひとつは、女性どうしがどの世代においても関係を築き、その結びつきが生の確かな軸となっている姿である。祖母、母、娘、友人、隣人へと静かに受け渡されるまなざしや時間は、個の営みでありながら、たしかに共同の感覚を宿している。
彼女を見つめるその眼差しは、同時にこちらへと返される。
写真のなかで向き合うとき、私たちはどれほど切実に、互いを見返してきただろうか。
海の満ち引きのように、生死や記憶は身の内で絶えず揺れ動いている。
身体の奥から溢れ出るものは、外界の光や風景と呼応しながら流れつづける。
私もまた、ひとつの海である。
「TIDE」 は、そうした内なる潮と外界の起伏が響き合う場として、存在と現在を見つめ直す試みである。切実さと豊かさが交錯するその像は、個の物語を超え、私たちが共に生きる時間の深層へと静かに開かれていく。
■ 概要
『TIDE』
著者:古里裕美
発行:赤々舎
価格:6,000円+税
ISBN:9784865412192
[著者]古里裕美
1987年生まれ。2018年よりフォトアーキペラゴ写真学校に参加。
主な受賞に、APAアワード2019〈写真作品部門〉佳作(2019)、IMA next #24「MEMORIES」ティム・バーバー選(2021)、塩竈フォトフェスティバル2024 特別賞(2024)。2024年に個展「光になって会いに来て、光になって会いに行く」(WORK CINEMA Paradise)を開催。現在は東京と宮城県を拠点に活動中。

