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■ 内容
【第42回(2020年)サントリー学芸賞〔社会・風俗部門〕受賞】
時間の厚みを生きる
誰もが自分だけの体のルールをもっている。階段の下り方、痛みとのつきあい方……。「その人のその体らしさ」は、どのようにして育まれるのか。経験と記憶は私たちをどう変えていくのだろう。
視覚障害、吃音、麻痺や幻肢痛、認知症などをもつ人の11のエピソードを手がかりに、体にやどる重層的な時間と知恵について考察する、ユニークな身体論。
■ 目次
◆プロローグ:究極のローカル・ルール
◆エピソード1 メモをとる全盲の女性
見えなくなって一〇年
真空パックされた「書く」
アンダーラインが引ける
物を介して考える
イメージ的なフィードバック
机も「見て」いる!
絵の中で迷う
毎日がはとバスツアー
とっちらかった自分を取り戻す
◆エピソード2 封印された色
『0』=濃いピンク、『1』=暗めの白
点字を触ると頭がチカチカ
頭の中のビジュアルイメージ
求めてないのにやってくる
色を割り当てる
チカチカ現象の原因
抽象化の中断
封印された色
混色できない
秘密の花園
◆エピソード3 器用が機能を補う
制御マニア
オートマ制御からマニュアル制御へ
足を甘やかしていた
足の再発見
記憶と現実のズレとしての幻肢
残るのはフォルムではなく運動の記憶
幻肢の指と足の裏
切断して器用になった左足
利き足の変化
◆エピソード4 痛くないけど痛い脚
腕に脚の機能もついている
階段に吸い付く動き
あくまでオートマ制御
コタツの中の脚
脚に意識を置いておく
右脚さんに悪い
痛いような気がしてくる
ラバーハンド錯覚
感覚の予期
◆エピソード5 後天的な耳
集団的記憶
「席数5」のレストラン
経験のパターン
背中で思い出す記憶
雰囲気か追体験か
背後に感じる気配
推理小説と補聴器
文化的構築物としての耳
甘えん坊な音
「聞こえない」から「聞こえる」
◆エピソード6 幻肢と義肢のあいだ
私の中では右腕はある
胴の中に入った幻肢
刻々と変わる幻肢痛
最後の腕の記憶
リビングがラボになる
面白がれるようになってきた
障害とテクノロジー
腕の記憶のゆくえ
◆エピソード7 左手の記憶を持たない右手
わざわざバスケ
義手との距離感
ウチとソトを分けるもの
利き手感覚の不在
右手が左手を欲してない
名前のようなもの
義手をいつ使えばいいのか分からない
◆エピソード8 「通電」の懐かしさ
和服姿の求道者
読経で自分を起こす
動物になろうと思った
いざ、幻肢痛緩和VRへ!
「通電」がおとずれるまで
両手感を思い出す
テレビ画面の真ん中に白い手が
ストームトルーパーの手と差し替えた
VRと禅
◆エピソード9 分有される痛み
「在日朝鮮人三世」×「難病」というダブルマイノリティー
痺れる足、薄い手
サンドイッチが飛んでいっちゃう
どもる体を逸らす工夫
夏は焚き火、冬は針に刺される痛み
これは自分ではない
体からの出られなさ
すでに痛みは分有されていた
「献身」でも「突っぱね」でもなかった家族
痺れてるのに、さらに痺れる(笑)
◆エピソード10 吃音のフラッシュバック
落語のようなしゃべり
見るのが怖い
一人称を揃える
振り子モデル
花がしゃべってくれる
フラッシュバックの恐怖
引き込み現象
しゃべるシステムのもろさ
自分を超えるものとしての記憶
◆エピソード11 私を楽しみ直す
言葉にならない違和感
オートマ制御の機能不全
勘を忘れる
「記憶する体」にお任せできない大変さ
状況の復元
客観と実感のギャップをうめるストーリー
◆エピローグ身体の考古学
■ 概要
『記憶する体』
著者:伊藤 亜紗 (イトウアサ)
発行:春秋社
価格:1,800 円円+税
ISBN:978-4-393-33373-0
[著者プロフィール]
伊藤 亜紗 (イトウアサ)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。専門は美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文転。東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。主な著作に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『目の見えないアスリートの身体論』(潮出版社)、『どもる体』(医学書院)、『情報環世界』(共著、NTT出版)がある。趣味はテープ起こし。インタビュー時には気づかなかった声の肌理や感情の動きが伝わってきてゾクゾクします。
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